神戸タクシードラ―バー物語その4

本日は、2015年6月10日(水)ブログ2319号です。

「タクシー乗務、時給は400円」

タクシードライバーの職業は、

漁師と同じと考えている。

会社から車(船)を借りて、

外(海)に出てゆく。

帰る時間まで自由に売上を上げるだけ。

漁師なら漁獲高と言えるかな。

タクシーは売上がなかったら

給料はもらえない。

漁師も魚が獲れなければ

給料はもらえない。


ある日のおいらの乗務について・・。

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夜明けの道路は人も歩いていない。

自分で考える道路を流す。

当然、お客様はタクシーを見たら手を上げる。

では、どれくらい走ればお客様に出合えるのか。

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この日は、午前6時に出庫している。

初のお客様は午前7時25分です。

1時間25分も空で走っていたことになります。

その後も、走っても走ってもお客様はいなかった。

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つまり、空車のタクシーが多いとだめだね。

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お客様がいそうな場所を走るのですが、

お客様がいるかどうかは運でしょうかね。

と言うことで、

この日の走行距離です。

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走行距離は157キロです。

お客様が乗って走った距離は21キロです。

実車率は13%です。

東京のタクシーの実車率は約50%です。

乗車回数11回でメーターが上がったのは28回。

一回のメーターで80円が加算されます。

乗務日記です。

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朝6時から午後5時まで11時間の結果です。

11時間でたった11回のご乗車です。

では、この日の売上です。

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税抜収入が、9,000円。

売上の50%が給料なので、

この日の給料は、4,500円です。

4,500円を11時間で割ると、

時給409円でございます。

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どんなに走ってもお客様が乗っていなければ

一銭にもならないのです。

このような話が、

面白いと思ったら、

帰って来たタクドラマンという

ブログを書いていました。

ここ 

約六か月書きましたので・・・・。

終わり

神戸タクシードラ―バー物語その3

本日は、2015年6月9日(火)ブログ2318号です。

「近くて悪いんですが・・・」

神戸のタクシードライバーになって、

一番驚いたことは、

「近くて悪いんですが」と

言われるお客様の多いこと。

では、とある日の

おいらの乗務日記を紹介します。

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乗務開始時間は、午前5時前後。

別に意味はありません。

ただ、目が覚めるだけ。

人生のお楽しみである食事ですが、

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おにぎり1個が通常ですが、

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この日は何故か2個でした。

しかも一番安いものです。

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税込100円のお茶を一日中飲む。

この日の売り上げ日記を紹介します。

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ご乗車回数19回中、千円未満が16回です。

16回中、ワンメーターが10回です。

つまり、

「近いところがほとんどということです」

言い換えると、

「近くても毎日利用いただく人が多い」

それがいつもいた阪急御影駅です。

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通勤、通学の時には高級車で送ってくる駅です。

ボーとしながら世間の華やかさを見ていました。

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ポルシェで小学生を送ってくる母親。

8割が高級外車でした。

ここから山手の道は急な山道で

バスもすれ違えないほどです。

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毎日、笑顔で安全にお送りするタクシードライバー稼業。

唯一の楽しみの、

食事もろくにできない。

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今日の昼食です。

「そんなバナナ」

と言っても笑えません。


皆様、神戸の住宅街は

歩けない老人でいっぱいです。

家を買ったときは若かったが、

今は自宅までの坂が上がれない。

このような皆様がたくさんいます。

「明日は我が身ですね」

「近くて悪いんですが」

なんて言わないでくださいね。

そこまで乗るのに、

680円も払うのですから。


食の刑務所、

タクシー乗務が続きます。
 

神戸タクシードラ―バー物語その2

本日は、2015年6月8日(月)ブログ2317号です。

このブログをご覧いただいている皆様に

申し上げます。


つくづく思うのですが、

自分がいいサービスをしていると思っても、

お客様に伝わっていなければ何もならない。



そんなときのタクシードライバー調査でした。



ある日、タクシー会社の専務に呼び出されて、

「こんな書類が来たよ」と言われた。

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覆面調査隊からのレポート現物FAXでした。

ご覧のようにすべてが事実の用紙です。

乗車駅は阪急の御影駅で、

降車駅はJR住吉駅です。

普通の大きな幹線道路を走ると、

信号待ちで、必ず680円(ワンメーター)

以上になります。

と言うことで、阪急御影の駅に着ける運転手は

裏道をお客様に説明して、

このほうが安くて早く行けますと説明する。

いつもそのように説明して、

楽しくお送りしている。

おいらだけではありません。

どのダライバーもそうしているはず。



そのお客様の一人がモニターだったんですね。

このタクシー会社は、創業63年で

初めてのパーフェクト評価と喜ばれた。


こらまた事実として、

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兵庫県タクシー協会から感謝状をもらった。

加えて、カタログギフトを添えられて。



もし、あの泡姫が覆面モニターだったら、

おいらのドライバー人生は終わっていた。



これからのサービス業は、

ホスピタリティ業と変化して、

お客様から感謝されなければならない。


まだまだ面白い話はあるのよ!!!!


つづく

神戸タクシードライバー物語その1

本日は、2015年6月7日(日)ブログ2316号です。

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思い起こせば1年前。

最愛の母が亡くなった日。(正確には6月8日)

この日を境に私の人生が激変した。

今日は母の一周忌法要の日。

色々なことがあり、

事情もあって、

おいらは、

神戸の実家に居ることになった。

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料飲ビジネス一筋で、

42年間走ってきたが、

サービス業の原点から

再出発を誓った!

究極のサービス業である

タクシードラ―バーだ!

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時は、

2014年8月15日。

10日間の研修を終えて、

乗務員証を獲得して、

乗務開始である。

何と!

36年ぶりのタクシー乗務である。

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会社から出庫すると

13時間は自由に走り回る。

すべて自己責任で売上をあげるのみ。

売上の50%が自分の給料になる。


おいらのタクシー再デビューの話。

午前8時ごろ、神戸の中央区を流していたら、

一人の女性が手を上げた。

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静かに止まりドアーを開けた。

女性は「ふにゃふにゃまで」と早口で言った、

よく聞こえなかったおいらは

「はあ、どちらですか」

と聞き直したら、

突然、大声で

「急いでるんや!!はよ行けや!あほ!」

と怒鳴られた。

この女性はソープランドの泡姫でした。

神戸の歓楽街「福原」に行ってと言った。

きっちり、とあるソープランドの

従業員出入り口まで送った。


おいらのタクシードライバー

再デビューは、

泡姫に怒鳴られることから始まった。

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タクシーの運転手は世間の評価は低い。

間違っても尊敬される職業ではない。

確かに

「こんな奴と同じ職業なんて恥ずかしい」

と思える奴が多くいた。

「自分は違うんだ」

と思っても、世間は皆同じに思っている。


では、何故?

タクシードライバーに返り咲いたのか?

自称!

一流のホテルマンがタクシーに乗ったら

はたしていいサービスができるのだろうか?

この疑問に挑戦したのであった。


タクシー業界にも、

覆面調査が存在した!!

普通の客と同じようにタクシーを利用する。

その評価を兵庫県タクシー協会に提出する。


何と!!!!!!

おいらがその覆面調査をされてしまったのである!!

残念だがつづく。
 
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